34期卒業式式辞
34期生の卒業式でお話しした内容をまとめました。
実際には言い間違えや言い忘れがあるので「修正版」としてお読みください。
34期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。そしてお母さん、お父さん、ご家族の皆様、おめでとうございます。
卒業生の皆さんには「おめでとう」という言葉と同時に「ご苦労様」「お疲れさん」という言葉も掛けたいと思います。というのは学園で過ごした期間はそれぞれですが、その間は楽しいことばかりではなくて、大変なこともとても多かったのではと思うからです。
学園では普通の学校と違って決められたことをする訳ではなく、誰かに決めてもらうこともありません。何をするにも自分で考えて自分で決めなければなりません。そんな時、自分自身の至らなさや出来ていないことも含めて自分自身としっかりと向き合わなければならなかったと思います。自分自身と向き合うという本当に大変な過程を経て、皆さんが今この場で逞しく成長した姿を見せてくれていることを嬉しく思います。
そして人との関係も本当に大変だったのではないでしょうか。
気が合って仲良くしてきた子も居たと思いますが、たぶん考え方や感じ方が違って簡単には受け入れられなかった子も居たと思います。そんな子と共に生活していくことはすごく難しいことで、時間をかけてなんとかお互いに理解できるようになったこともあれば、やっぱり受け入れることが難しくて、お互いに距離を取り微妙なバランスをとりながら過ごしてきたこともあるのではないでしょうか。世間ではダイバーシティ(多様性)とかインクルーシブ教育とかが唱えられています。これって言葉でいうのは簡単ですが、それを実現することは簡単ではありません。でも皆さんは三年間の日々の生活の中で、受け入れ難かった他者を受け入れたり、受け入れきれない他者とは微妙な距離とバランスを取るという難しいことをしながら、とても味わい深い集団を作ってきたと思います。これは本当にすごいことだし、貴重な経験だったと思います。
次の話に移ります。
毎年、卒業生の皆さんが旅立っていく世界がこれからどう変化していくかについてお話ししているんですが、今年ほど変化の大きさを感じている年はありません。それはAIの驚くべき進化がもたらす変化です。皆さんが1年生の11月にChatGPTが出現しました。当初はデータの少ないことには平然と嘘をついたりして、大したことはないのかと思っていましたが、ほんの2年の間にびっくりするほど進化しています。今、自分はAIに数学の問題を解かしたりして遊んでいるんですが、残念ながら自分の能力は完全に超えられています。自分もそれなりに数学を勉強してきて、ある程度の経験や勘は持っているつもりですが、正直もはや太刀打ちできません。プログラミングに関しても同様です。
こうしたAIの進化は間違いなくこれからの世界に大きな変化をもたらし、多くの仕事がAIに取って代わられることになると思います。これまで知識が必要とされてきた「知的分野」の仕事も大きな影響を免れません。
ではそうした変化に対処するにはどんなことが必要になるのでしょうか。
一つは「学び続ける」ということです。たぶん今の学校で身につける知識や力の多くが古くなってしまうと思います。だから新たな事態に対応するためにはいつも新たなことを学び続けるということが大切になるはずです。
そしてもう一つ大切なことはAIには無いものを大切にすることです。AIに無いものというのは実は五感を持った肉体なんです。AIは所詮コンピューター上に作られたネットワークにすぎません。これに対し人間には「美味しい」とか「痛い」といった感覚を持った肉体があるんです。ですからAIには無い繊細な感覚や器用さ、柔軟かつ強靭な肉体を鍛えていくことが、これから先とても大切になると思います。
でもこれって実はまさに皆さんが学園でやってきたことなんですね。
例えば先日の卒業ライブで聞かせてもらったようにバンドを組んで好きな曲を思いっきり演奏するとか、美術室でコツコツと作品を作るとか、体育館で筋トレに励み強靭な肉体を作ったり、家庭科室で美味しい料理を研究するとか、川にいって飛び込んだり、釣った魚を料理して食べたり、エアガンを担いで野山を走り回ってヒットされて痛い目にあったり、夜な夜な麻雀に励み勘を鍛えたり・・
こんな五感と体をフルに使って体験してきたこと、まさに「生きた」ことこそが、これから先皆さんの大きな力になっていくと思います。ですからこの経験を大切にして自信を持って生きていってください。そのことをお願いして式辞とさせていただきます。
実際には言い間違えや言い忘れがあるので「修正版」としてお読みください。
34期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。そしてお母さん、お父さん、ご家族の皆様、おめでとうございます。
卒業生の皆さんには「おめでとう」という言葉と同時に「ご苦労様」「お疲れさん」という言葉も掛けたいと思います。というのは学園で過ごした期間はそれぞれですが、その間は楽しいことばかりではなくて、大変なこともとても多かったのではと思うからです。
学園では普通の学校と違って決められたことをする訳ではなく、誰かに決めてもらうこともありません。何をするにも自分で考えて自分で決めなければなりません。そんな時、自分自身の至らなさや出来ていないことも含めて自分自身としっかりと向き合わなければならなかったと思います。自分自身と向き合うという本当に大変な過程を経て、皆さんが今この場で逞しく成長した姿を見せてくれていることを嬉しく思います。
そして人との関係も本当に大変だったのではないでしょうか。
気が合って仲良くしてきた子も居たと思いますが、たぶん考え方や感じ方が違って簡単には受け入れられなかった子も居たと思います。そんな子と共に生活していくことはすごく難しいことで、時間をかけてなんとかお互いに理解できるようになったこともあれば、やっぱり受け入れることが難しくて、お互いに距離を取り微妙なバランスをとりながら過ごしてきたこともあるのではないでしょうか。世間ではダイバーシティ(多様性)とかインクルーシブ教育とかが唱えられています。これって言葉でいうのは簡単ですが、それを実現することは簡単ではありません。でも皆さんは三年間の日々の生活の中で、受け入れ難かった他者を受け入れたり、受け入れきれない他者とは微妙な距離とバランスを取るという難しいことをしながら、とても味わい深い集団を作ってきたと思います。これは本当にすごいことだし、貴重な経験だったと思います。
次の話に移ります。
毎年、卒業生の皆さんが旅立っていく世界がこれからどう変化していくかについてお話ししているんですが、今年ほど変化の大きさを感じている年はありません。それはAIの驚くべき進化がもたらす変化です。皆さんが1年生の11月にChatGPTが出現しました。当初はデータの少ないことには平然と嘘をついたりして、大したことはないのかと思っていましたが、ほんの2年の間にびっくりするほど進化しています。今、自分はAIに数学の問題を解かしたりして遊んでいるんですが、残念ながら自分の能力は完全に超えられています。自分もそれなりに数学を勉強してきて、ある程度の経験や勘は持っているつもりですが、正直もはや太刀打ちできません。プログラミングに関しても同様です。
こうしたAIの進化は間違いなくこれからの世界に大きな変化をもたらし、多くの仕事がAIに取って代わられることになると思います。これまで知識が必要とされてきた「知的分野」の仕事も大きな影響を免れません。
ではそうした変化に対処するにはどんなことが必要になるのでしょうか。
一つは「学び続ける」ということです。たぶん今の学校で身につける知識や力の多くが古くなってしまうと思います。だから新たな事態に対応するためにはいつも新たなことを学び続けるということが大切になるはずです。
そしてもう一つ大切なことはAIには無いものを大切にすることです。AIに無いものというのは実は五感を持った肉体なんです。AIは所詮コンピューター上に作られたネットワークにすぎません。これに対し人間には「美味しい」とか「痛い」といった感覚を持った肉体があるんです。ですからAIには無い繊細な感覚や器用さ、柔軟かつ強靭な肉体を鍛えていくことが、これから先とても大切になると思います。
でもこれって実はまさに皆さんが学園でやってきたことなんですね。
例えば先日の卒業ライブで聞かせてもらったようにバンドを組んで好きな曲を思いっきり演奏するとか、美術室でコツコツと作品を作るとか、体育館で筋トレに励み強靭な肉体を作ったり、家庭科室で美味しい料理を研究するとか、川にいって飛び込んだり、釣った魚を料理して食べたり、エアガンを担いで野山を走り回ってヒットされて痛い目にあったり、夜な夜な麻雀に励み勘を鍛えたり・・
こんな五感と体をフルに使って体験してきたこと、まさに「生きた」ことこそが、これから先皆さんの大きな力になっていくと思います。ですからこの経験を大切にして自信を持って生きていってください。そのことをお願いして式辞とさせていただきます。