心の変化

男子 父 (卒業文集より)

3年間を振り返り、色んな苦労と喜びがありました。卒業し今の気持ちを自分なりに振り返ると、色んな問題が起きるたび、子供が悪い、何であんな風に育ったのか、子供のせいにばかりしていました。親の言う事を聞き親の思いどおりになる事が、当然だと思い込んでいたと思います。心の何処かで親の方が偉いと勘違いしていました。親の思いどおりにならない時、イライラしたり時には暴力で押さえ付けたり、親の価値観でしか行動していなかったと思います。子供は子供の意見があったが、言い訳やわがままにしか受け取れなかった。親と子供では、経験や体験して来た事、生きてきた時間が違い、時代も違い、未経験で、分からない事が多くあって当たり前なのだが、そのことを理解できず、また親の気持ちをわかって貰うよう努力もした事が少なく思います。本来の人間として一番大事な心のつながりが出来てなかった。ある時私は愛のムチと思っていたが、子供にして見ればただの暴力にしか受け取れなく、「虐待、親父のウップン晴らし」と言われた事が有りました。その時は何で解ってくれないか深く考える事などしなかった。そんな生活の中でお互いの溝、ズレは、大きく広がって行くばかりです。お互いそんな関係で理解し合える訳が有り得ない、憎しみや罵り合いしか生まれて来なかった。生野に出会い、色んな経験を重ねて気が付いた事、1つの事でも色んな考え方見方が有ると解っていたが、過去を振り返れば、一方的で親の考え方を押し付けていたように思います。
 初めの頃は学園にまかせっきりで、夫婦で子供が学園に行く事で子供が良くなると思い込んで、子供なりに色々考えてくれる期待が大きかったです。子供は週末自宅に帰るのがいやで、学園の友達の家に泊まり回ったり、学園に残ったりしていました。帰宅しても、自分の居場所が無かったからだと思います。
 帰宅した時は、親が日曜日には学園に帰園して欲しいと思っている事がバレバレだったと思います。スタッフの方々に学園での事や色んな話を聞いていて、スタッフが何故そこまでわがままを聞いてあげる事、やりたい事をやらせてあげれるのか?でした。真夜中に学園に送っていた時、{自分の中では何で送らなあかんねん!自分の事は自分で} 他の親御さんが送っているのに会った事がありました。(親子仲良く楽しそうに!)親会や、色んな行事に参加することで、色んな方々と話し相談している内に、他の親の方は子供の為に一生懸命努力している姿。スタッフは自分の子でも無いのに、親以上に子供の気持ちを考え行動して下さる姿を見ていて、私は本当に自分の子が、可愛いと思って居るのか?邪魔物扱いしていたのでは?自分が恥ずかしく思えて来ました。知らず知らずの内に、自分が親だから偉いと、勘違いして居るのではと、気が付きました。又嫌な事から逃げ避けていたと思います。自分自身現実を受け入れる事が出来ず、他に責任転換し理解しようとしなかった。
 この事に気付いて、色んな見えなかった事、見たくない事が見えて来た様に思います。子供を信じ何があっても、受け入れよう!どうにか成る!どうにかする!自分の心に言い、やって見なければわかない!と勇気を出す事が必要と思いました。世間からすると、今頃なんで?などと思われますが、今までの親子関係で幼い頃より学んで来る事かも知れませんが、我が家ではその時期がズレていた、無かった?ように思います。子供にとって親の愛情を、感じ取る時期が本当に多くあったか?だと思います。
 まだまだ努力する事や勉強する事が多くあり、苦労すると思いますが、親の考えと子供の考えに、ズレがあり経験を積んで行くことにより、ズレが無くなって行く事だと感じます。3年間親子で生野学園での、貴重な経験や体験した事は今後お互いの人生の中で大きな宝物、心の支えになると思います。
 私は今まで自分自身、子供の卒業式など経験しましたが、今回のように涙が出て止められないような経験は初めてです。式が始まり心の奥底からこみ上げてくる物?でずーと上を見て、我慢していたが無理でした。アーチで子供を送り出す時自分の子供が来た時、無意識で抱き締めていました。生野に出会えて無ければ、出来なかった事と思います。以前なら、カッコ悪い!恥ずかしい!照れくさい!などなどで自分の体裁の方を気にしたでしょう、心の変化?現実を受け入れられた心のゆとり?自分の本心?
 生野学園の影響力は、恐ろしく大きな物です。今後も色んな問題に遭遇しても、現実を受け入れる勇気、子供の愛情を持って、生野での体験を思い出し、親子、家族で歩んで行けると思います。卒業後は、就職進学など色んな進む方向があると思いますが、今すぐにあせって決めるのではなく、子ども自身が良く考え相談し合い、本当に自分自身が進んで行きたい事を見つけて決めれば、良いと思っています。甘いと言われるかも知れませんが、今の段階ではこの考えがベストの選択だと私は思います。
 上手く書けませんが、本心で話し合いが出来る仲間達が出来た事、世間体や、体裁など気にせず、心の本心や実体験談など話せる仲間が居る事で、人生での大きな力を獲る事が出来ました。
同期の仲間、学園関係者の皆様に、本当に感謝しています。今後も生野の友と、末永くお付き合いが出来るようにしたいと思います。
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