生野学園では「学習の遅れが人間としての価値を下げるものでけっしてはない」という考えから 一人ひとりの状況に応じたレベルとペースで学習を進められるようにしています。 また単に知識を得るだけでなく、自ら考え学習しようとする意欲が育つように、 次のような取り組みをしています

学習の4つの柱

  • スタッフが工夫した多様な選択科目の設定

    生野学園では生徒一人ひとりの状況に合わせて、多様な選択科目の中から自由にカリキュラムを作って行くことができます。

    2009年度の授業例

    プリント国語、脚本を読もう、福祉ゼミ、趣味の園芸、体力作り、English Park、 ポレポレWorld、日本百景、名曲百選、プリント理科、写真

  • 複数スタッフによる教科の枠を超えた課題を取り上げた授業

    月曜から木曜の各曜日ごとに4〜5名のスタッフでチームを作り、 教科の枠を超えた課題を取り上げていく授業を実施しています。

    2010年度の授業

    曜日講座名内容
    月曜日月曜ミル研「ミルク」をテーマにミルクやミルクを使った様々な食品を作ったり味わったりします。
    火曜日火曜カミ様近隣の神社・仏閣を訪れお話を伺ったりして交流を深め、ゆったりした時間を過ごします。
    水曜日怪傑0 ZEROタダ(0円)の素材を集め、それを使って様々なものを作ります。
    木曜日木曜のじっけん室いろんな実験をしたり、ものを作ったりします。
  • 豊富な自然を生かした野外授業や地域の人たちと連帯した体験学習

    生野学園は豊かな自然の中にあります。前面にはオオサンショウウオの棲む清流「栃原川」が流れ、 背後には「高星山」という美しい山が控え、鹿や猿などの動物も多く住んでいます。 また生野学園のある「栃原」の村の人たちをはじめ、多くの人たちが生野学園をささえてくれています。 こうした自然環境を生かし、地元の人たちと連携した様々な授業を展開しています。

  • 希望によってスタッフと相談の上で行なう個人授業

    集団の中で仲間と共に学習することは意義深く重要なことです。しかし、苦手な分野を自分のペースで学習したり、 興味を持った事柄を掘り下げて学習していくことも必要なことです。そのために生野学園ではスタッフと相談して 個人授業が出来るようにしています。

不登校を経験した子どもたちにとって学習の再開は困難な壁のひとつです。 子ども達の中には、遅れてしまったことへの焦り、無理をして頑張ってきたことからくる疲労感、 やらされることへの反発、学習の意味の不明瞭さなど、様々な気持ちが入り交じっています。 そのため、なかなか学習に手を付けられなかったり、「しなければならない」という想いだけで、 強迫的に取り組もうとすることもあります。
それではどうすればこの壁を乗り越えることができるのでしょうか? そのためには不登校で体も心も不安定になっている彼・彼女たちが、 癒され安心して生活できるようになることが必要です。 心身が安定することで、初めて主体的に学ぶ意欲が芽生え、学びの力も自然に向上してきます。 一見回り道のように見えても初めは無理な学習を控え、まずは子どもたちの安定を目指すことが必要です。 私たちは多くの子どもたちと接する中で、このことのを実感しています。
同時に、目先のことや効率ばかりを求める時流に流されることなく、 子どもたちの成長にとって本当に必要な課題には、避けたり先送りにすることなく、真正面から向き合う必要があります。 開校以来、私たちは生野学園の学習をどう創っていくか、様々な試行と議論を繰り返してきました。 その中で、学習の究極の目標は「自分という存在を知り理解すること」だと思うようになりました。 単に知識を得るだけでなく、得た知識をもとに自分自身を考え、理解し、表現することを積み重ねていくなかで、 自分が変わり、形成され、人格の軸が育っていく、その一環として学習があるのだと考えています。